スポット溶接・精密溶接専門のこだま製作所の「事例紹介」です。

「プロジェクション溶接(工場視点からの解説)」

プロジェクション溶接とは


1、プロジェクション溶接の原理


プロジェクション溶接は、抵抗発熱を利用して金属の接合を、行う抵抗溶接の一種です。
ここでは、その原理について簡単に説明します。

 


プロジェクション溶接とは、被溶接材(金属製品)のどちらか一方に、プレス加工などでプロジェクション(突起部)を設けて、プロジェクション(突起部)部を加圧し大電流を突起部に集中して流すことによって生じる発熱で、プロジェクション(突起部)を溶かし、部品どうしの溶着を行う抵抗溶接の一種です。一般的に平板とナットやボルトの溶接などに使われている他、薄板同士の溶接歪を抑えるための工法として行ったり、量産時の薄板同士のスポット溶接多点数から、プロジェクション溶接で一工程に収める極めて効率の良い工法としても行われています。

溶接の手順はスポット溶接の場合と同じですが、プロジェクション溶接は複雑な形状物の精密接合や、
難しい材料の組合せなどにも適しています。



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異種金属のプロジェクション溶接
(電気機器部品)

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SUSパイプとSECC板の
プロジェクション溶接

(電子レンジ部品)

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SUS304のプロジェクション溶接
(ノートPC用ヒンジ)

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スチールパイプのプロジェクション溶接
(マネキンの内部関節ジョイント)
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ピンのプロジェクション溶接
(電気機器部品)
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ウエルドナットのプロジェクション溶接
(建築器材部品)


その他、プロジェクション溶接の事例は、こちらから



2、プロジェクション溶接の特徴


長所
①溶接時間が短いので、他の溶接方法に比べ加工コストが極めて低い。
②プロジェクション(突起部)に熱が集中するため、熱影響を最低限に抑える事ができ、安定した溶接状態が確保できる。
③複数の部品を一度に溶接することにより、位置精度を得やすい。
④機械的作業のウエイトが高いため、一般的な製品の溶接においては、作業者の熟練度をほとんど必要としない。
⑤溶接棒やフラックスが不要で、有害な紫外線やヒュームが発生しない。
⑥他の溶接方法に対し、溶接条件の設定が容易である。

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短所
①機種にもよるが、溶接機の価格が比較的高い。
②被溶接材へのプロジェクション加工や、冶具電極製作が生じるので、少量生産に対応しにくい。
③被溶接材としての部品の位置決めなどを行う場合、冶具電極が必要となり、設計能力が必要となる。



3、プロジェクション溶接条件の選択


①電極、冶具電極

  • 材質:ワークの位置決め等が必要のない単体の電極としては、クロム銅が使用されています。

       ワークの位置決めが必要な冶具機能を兼ねた冶具電極においては、本体部分は、

       加工性・コスト面から真鍮を使用するのが周流で、被溶接材と接触する電極部分には、

       クロム銅や銅タングステン等が使用されています。

  • 形状:被溶接材の形状、板厚などに合わせますので、様々な形状がありますが、

       ワークの位置決め等が必要のない被溶接材の場合は、市販されている

       スポット溶接用電極(接触部分がフラット)が、使用されています。

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プロジェクション溶接用冶具電極
(固定型)

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プロジェクション溶接用冶具電極
(開閉型)

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市販の電極
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市販の電極での溶接イメージ


なぜ、電極は被溶接材と一緒に溶接されないのか
材質が導電性が高く電気抵抗値の低い、クロム銅等を使用しているからです。


②被溶接材に対する加圧の設定
加圧は、通電を行って被溶接材のプロジェクションが溶着されている状態で、被溶接材の表面の損傷が目立たないのが良好状態で、逆に加圧が高すぎた場合には、溶接される前にプロジェクションが潰れてしまい、溶接されません。

③溶接電流の設定
基準値が無い場合には、低い電流設定から徐々に上げていく手順を行います。
危険ですので間違っても上げ過ぎには、注意が必要です。
通電時間は、プロジェクション溶接の場合、極めて短い方が良好な溶接状態が確保できます。

溶接された時点で、被溶接材の剥離検査を行いながら、強度確認を行い適切な溶接電流値と、通電時間の設定を行います。

④溶接強度テスト
専用の引っ張り試験機を使用すれば、正確な強度数値も得られますが、

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引っ張り試験機


一般的には、工具等で被溶接材の剥離テストを行い、適切な溶接条件確認から、溶接回数に対しての定期的なテスト基準値を設け、電極管理につなげることで、溶接強度の安定性を高めることが可能です。

よって、溶接強度テストは、最適な溶接条件と共に重要項目となります。

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剥離試験前

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工具を使用した、簡易的な剥離テス

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剥離テスト後、部品がちぎれるほどの
強度を確保

              


プロジェクション溶接条件設定のフロー
溶接箇所の検討
⇒電極形状の決定
⇒加圧の選定
⇒溶接電流・通電時間の選定
⇒溶接テスト⇒剥離検査⇒溶接条件の調整
⇒加圧の決定
⇒溶接電流・通電時間の決定
⇒試作⇒量産試作
⇒品質管理項目の策定(量産条件の決定)
⇒量産≒品質管理



5、プロジェクション溶接機


主に、コンデンサー式とインバーター式が使用されています。

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プロジェクション溶接機の基本的構造


上記構造のプロジェクション溶接機には、コンデンサー式、インバーター式が使用されていますが、
特にコンデンサー式の場合、小さな容量でも大きな電流を流すことが可能ですので、非鉄金属にも対応が可能です。

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プロジェクション溶接機



プロジェクション溶接の受託加工
試験、溶接条件販売、プロジェクション溶接機の選択・販売支援

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