材質 | C1020 |
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銅は熱伝導率が良いため、溶接時に熱が逃げてしまい上手く溶接出来ない事があり、溶接時の熱拡散を意識し溶接する必要があります。ですが電子ビーム溶接では狭い照射部に超高温を発生させることが出来るため、熱が逃げる前に接合部を溶融させることが可能なため銅の溶接に非常に適しています。
レーザー溶接では高反射材である銅は高品質に溶接する事が難しく、TIG溶接では歪みや入熱の管理が難しいですが、
電子ビーム溶接であれば安定した高品質な溶接が実現できます。また、今回加工した製品のように直線的でない形状でも
NC制御での溶接となるため溶接可能です。
今回の事例はロウ付け箇所が外れたため、ロウ付けの代替工法として電子ビーム溶接を行った事例です。溶接加工では不純物があると上手く接合できなかったり、製品を破壊する事もあるためロウなどの不純物は綺麗に取る必要があります。そのため、まずは切削で表面のロウを綺麗に除去し、蓋も切削後の寸法にきっちり嵌る大きさで新規作成しております。
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![]() ロウ除去後 |
![]() 電子ビーム溶接後 |
上記左の画像のようにロウをしっかりと除去することにより綺麗に不具合なく溶接することが出来ました。
電子ビーム溶接とは、真空中で放出した電子を高い電圧で加速させ、
コイルとレンズで収束させビームを部材に衝突させ、超高温を発生させ溶接する溶接方法です。
真空での突合せ溶接(共付け)になります。
【特徴】
・溶接幅が狭く、深い溶け込みで溶接可能
・入熱範囲が狭いため、歪みを抑えた溶接が可能
・薄板の溶接が可能
・高融点金属である、タングステンやモリブデンの溶接も可能
・真空中での溶接のため、酸化・窒化の心配が無く、活性金属の溶接にも適している。
・銅とステンレスなど難易度の高い異種金属の溶接が可能
【不向きな材料】
・亜鉛など成分中に蒸気圧の高い金属を多量に含む、真鍮や洋白など
・材料中にガスを多く含む鋳鉄やタフピッチ銅など
・溶接時に脆い金属化合物が出来る組合せ(アルミと鉄鋼、チタンと鉄鋼など)
【溶接時の注意点】
・材料は十分な脱脂や異物の除去が必要です。
・溶接部は出来るだけ密着させる必要があります。
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