ボルトの溶接には主にスタッド溶接と抵抗溶接を用います。スタッド溶接には大きく分けるとアークスタッド溶接と、CDスタッド溶接に分かれています。躯体などに取り付ける大型ボルトはアークスタッド溶接を用い、薄板や小物へのボルト溶接はCDスタッド溶接を用います。また、抵抗溶接は抵抗溶接機を用いたボルト溶接のことで、スタッド溶接より応用が利き、量産時のコストを抑えることが出来るが、製品ごとに専用の電極が必要です。また、抵抗溶接の場合にはウェルドボルトと呼ばれる抵抗溶接用のボルトも取付け可能です。
このページで紹介する内容は工場内で加工出来るCDスタッド溶接と抵抗溶接でのボルト溶接について紹介します。
1.抵抗溶接でのボルトの溶接、スタッド溶接の受託加工
板金製品における、曲げ加工後の溶接も可能な限り対応しています。
2.板金加工を始めとする、部品製作
3. 簡易治具電極・量産治具電極の製作
4. 溶接テスト・試作品製作(有償)
5.全国対応
![]() CD方式 スタッド溶接のプロセス |
CD方式 スタッド溶接によるボルト溶接事例
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SUS304t1.0とM3ボルトの、 .スタッド溶接加工(CD方式) |
SUS304 t3.0とM8ボルトの スタッド溶接(CD方式) |
A1100 t1.0とM8ボルトの スタッド溶接(CD方式) |
![]() A5052 t2.0と、 サイズ違いアルミスタッドボルト96本 スタッド溶接(CDロボット方式) |
SPCC t1.6とM5ボルトの スタッド溶接(CD方式) |
![]() SPCC 絞り成形品t1.0とM4ボルトの スタッド溶接(CD方式) |
SPCC t2.0とM6ボルトの スタッド溶接(CD方式) |
その他、スタッド溶接の事例は、こちらから
※「こだま」の特殊技術での対応内容が入り、スタッド溶接の加工範囲をさらに広げていますので、一般的には不可な要素も含まれます。
< 長所 >
①CD方式では、ロボット対応により一枚の金属板に、複数のスタッドボルトを連続的に溶接することが可能である。
②CD方式では、ボルトの薄板溶接が可能である。
③機械的作業のウエイトが高いため、一般的な製品の溶接においては、作業者の熟練度を必要としない。
④溶接棒やフラックスが不要で、有害な紫外線やヒュームが発生しない。
⑤パイプ等にも、ボルトのスタッド溶接が可能。
⑥筐体における曲げ成形後のスタッド溶接が可能である。(不可な場合もありますので、ご相談ください)
< 短所 >
①ボルトの径が大きくなると、溶接される断面積が大きくなり母材が薄いと、母材に熱影響(歪・焼け)が生じる。
②ボルト溶接部にスパッター(溶けダレ)が生じるので、ネジ部根元までが重要な場合二次的に専用カッターで除去作業が必要になる。
③量産においては作業性を向上させるのが困難な溶接方法なので、CD方式であれば抵抗溶接に切り替える考慮が必要。
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ナゲット:母材における、ボルトが溶接された箇所
スパッタ:ボルト溶接部の溶けダレ
スタッド溶接が正常に溶接された場合は、下記画像のような状態になります。
溶接部分は、ボルト周囲に均一な溶け込みが確認され、スパッターが現れます。
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1)溶接条件の超過
① 溶接電流が高い場合
② 溶接時間が長過ぎる
③ リフト時間が長過ぎる
スタッド溶接は、ボルトと母材の接触を行い放電させると一時的にボルトを母材から持ち上げて、溶融池(プール)を形成させ、その溶融池(プール)に、再度ボルトを母材に接触(リフト)させますので、溶接条件の超過で下記画像のような状態になり、正常に溶接が行われません。
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2)溶接条件の不足
超過の逆の、溶接条件ではボルトと母材の溶融量が不足した状態となり、破壊テストではボルトが母材から簡単に外れてしまいます。
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スタッド溶接条件設定のフロー |
溶接箇所・ボルト形状の検討 |
⇒溶接条件の選定 |
⇒溶接テスト⇒剥離検査⇒溶接条件の調整 |
⇒溶接条件の決定 |
⇒試作⇒量産試作 |
抵抗溶接機(電気抵抗)を使用した、薄板専用の抵抗溶接方式は、CD方式に比べワークに合わせた専用電極が必要となりますが、さまざまな溶接条件に対応が可能となります。スタッド溶接における、CD方式による限界が生じた場合や、量産対応として加工費を抑えたい場合は、下画像の様な電極の製作を行い、抵抗溶接で加工を行います。抵抗溶接方式は、さまざまなボルトの形状に対応が可能で、溶接部分のスパッタを軽減できるのが利点です。画像は手動式の事例ですが、エアーシリンダーを使用した半自動の冶具電極を製作することによって、量産時の加工費を大幅に抑えることが可能です。
![]() 抵抗溶接方式 スタッド溶接のプロセス |
![]() チャック部が下電極になっている電極 |
ウェルドボルトを使用する場合には簡易な電極で溶接可能なため初期費用が安く済みますが、
製品自体にウェルドボルトを通す穴をあけておく必要があります。
抵抗溶接によるボルト溶接事例
SUS304 t0.4とM3ボルトの 抵抗溶接 |
![]() SPCC t2.0とM6ボルトの 抵抗溶接 |
![]() SUS304 t0.5とM4ボルトの 抵抗溶接 |
![]() SUS430t0.8HLとM3スタッドボルト 歪レス・スタッドボルト側 |
![]() 表面(抵抗溶接方式) |
ウェルドボルト |
SPCC t1.5とM6ボルトの 抵抗溶接 |
SPCC t0.5とM4ボルトの 抵抗溶接 |
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