スポット溶接・精密溶接専門のこだま製作所の「事例紹介」です。

「ニッケルの溶接」

ニッケルの溶接について


ニッケルは融点が1400度以上の高い耐熱性を持ち、伝導性も真鍮やステンレスより良く、耐食性も非常に優れているため、多様な合金として広く用いられています。ニッケルの溶接性はステンレスに似ており、主に抵抗溶接・アーク溶接・レーザー溶接を用いて行われます。ニッケルは溶加材としても優れており、ニッケル合金だけでなく鋳鉄の補修にも使用されています。

ニッケルの溶接方法


1)抵抗溶接:スポット溶接プロジェクション溶接シーム溶接
2)アーク溶接:ティグ溶接プラズマ溶接
3)レーザー溶接:YAGレーザー溶接・ファイバーレーザー溶接
4)電子ビーム溶接
6)拡散接合:熱圧着

1)抵抗溶接


抵抗溶接は、被溶接材となる溶接したい2片の金属の上下を電極で挟み込み、接触部を加圧しながら大電流を流すことで電気抵抗により材料が局部的に発熱し、溶融して接合される溶接工法です。

スポット溶接

スポット溶接は、抵抗溶接機にプラテン部分にホーンという、いわば機械の腕にあたる真鍮(一般的に使用されている)の無垢材を取り付け、先端に電極を取り付けたホルダーを固定して使用します。電極は、ストレートタイプ、エルボタイプ、または自作の特殊なものまで、被溶接材に合わせて、最適なものを選択することによって、平板・筐体・線材と、さまざまなインコネルの溶接が可能です。

スポット溶接機2.png スポット溶接の原理2.png

スポット溶接の特徴

1. 位置決めの冶具などの用いることにより、高精度な溶接が可能。
2. t0.03からの薄板溶接が可能。
3. 試作から量産へのシフトがスムーズに行えます。

プロジェクション溶接

プロジェクション溶接は、抵抗溶接機にプラテン部分に直接専用の電極を取り付けて使用します。
被溶接材(インコネル)に、予めプレス加工もしくは、切削加工でプロジェクション(突起)を施し、上図のように、溶接電流をプロジェクションに集中させて溶接を行いますので、溶接後の被溶接材に対する負荷(熱歪等)を、最小限に抑えることのできる溶接方法です。量産時における薄板金属の合理的な接合方法としても有効で、厚板の接合にも適しています。

プロジェクション溶接機.png プロジェクション溶接2.png


プロジェクション溶接の特徴
1、高精度:冶具電極(部品の位置決めと通電を兼ね備えたモノ)の精度を上げることによって、高精度に部品接合が可能です。
2、他の溶接方法(抵抗溶接以外)に比べ、プロジェクション(突起部)に熱が集中するため、熱影響を最低限に抑える事ができます。
3. 試作から量産へのシフトがスムーズに行えます。

シーム溶接

シーム溶接は、抵抗溶接機のホーン上下先端に、円盤状の電極を取り付け、円盤の間に被溶接材2枚を重ね通し、連続的な通電と、加圧を電極の回転によって行い金属板や、網を直・曲線上に被溶接材を重ねた状態で、溶接することが出来ます。シーム溶接としては ,突き合わせて溶接する、ティグ(アルゴン)溶接やレーザー溶接でも、良好な溶接が可能ですが、ワーク精度が必要になり、溶接加工費としても上昇します。

シーム溶接機.png シーム溶接.png


シーム溶接の特徴
1、2枚の重ねた被溶接材を、連続的に早い速度で溶接が可能。
2、曲線部を含んだ、タンク等の気密溶接が容易にできる。

2)アーク溶接


接合させる部品と電極(ティグ溶接・プラズマ溶接)の間に発生させたアークによって、部品の局部を溶かし、シールドガスを使用して接合する溶接方法です。アーク溶接は、突き合わせて溶接(t0.03~t2.0)が行えるのが特徴です。

ティグ溶接

ティグ(アルゴン)溶接は、大気から溶接による金属の酸化を防ぐために、タングステン電極の周りからアルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを放出し、ガスのシールドを作ります。シールドガスを流した状態で、融点の高いタングステンと被溶接物 との間にアーク放電を発生せしめ、そのとき発生 する熱で溶接します。電子の流出 するタングステンを冷却し、電子の流入する被溶接物の発熱を促進 するため、タングステン電極をマイナス、被溶 接物をプラスにするように直流電源に接続することによってタングステン電極のダメージを抑制 し、効率よく被溶接材を溶融することができます。

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ティグ溶接の特徴

1. 不活性ガスシールドを使用することで、溶接金属への不純物混入が極めて少ない。
2. 様々な形状の溶接に適用できる。

プラズマ溶接

プラズマ溶接は,アルゴンガスとウォール効果によるアークを緊縮させた非常にエネルギー密度の高いアーク熱源となります。
このため、プラズマアークはTIGアーク(自然放電アーク)よりも高温で、プラズマ気流を伴った細くて長いアーク形状となることから多くの特長で、ティグ溶接と比較して、プラズマアークの被溶接材への広がりが少なく集中した熱源となります。一方、ティグ溶接の熱源は、被溶接材に対して、末広に広がる形状になりますのでプラズマ溶接は、ティグ溶接とYAGレーザ溶接のほぼ中間的な溶接方法として、ワーク精度を高めなければなりません。

プラズマ溶接.png


プラズマ溶接の特徴
1. 不活性ガスシールドを使用することで、溶接金属への不純物混入が極めて少ないです。
2. 様々な形状に適用でき、かつ溶接姿勢に制限がありません。
3. 熱源を集中させて溶接を行いますので、溶接による熱影響の抑制が行えます。

3)レーザー溶接


レーザー溶接とは、光源をレーザー素子にあて、誘導放出現象を起こし強力なレーザー光化を行い、集光して金属に照射し、金属を局部的に溶かし固めて接合する方法です。 レーザー溶接はアーク溶接に比べ、溶接時に生じる熱影響が少なく、スポット径を小さく、ビード幅も狭く、そして深く溶接することが可能です。

レーザー溶接.png


レーザー溶接の特徴

1. 局部的に高速で溶接が行えるので、ワーク周囲の熱影響が少なく熱歪みが小さい。
2.
非接触で加工できるため抵抗溶接に比べワークの変形が少ない。
3. 電極メンテナンス(研磨等)等を必要としない。

4)電子ビーム溶接


真空状態で、フェラメントを加熱することで、電子が放出され、そこに高電圧を与えてビームを形成し、溶接させる部品に照射を行い溶接する方法です。真空状態で溶接を行うため、ビームは100%で溶接部分に照射されるので、狭い溶接範囲で深く浸透することが可能で、インコネルを始め、チタン・ニオブなどの活性金属などにも有効です。

電子ビーム溶接.png


電子ビーム溶接の特徴
1、局部的に高速で溶接が行えるので、ワーク周囲の熱影響が少なく熱歪みが小さい。
2、ビームは被溶接材に対し浸透性が高く、厚板溶接にも有効です。
3、ビームスポット径は0.2mm程度という極めて狭い範囲が、レーザー溶接と同じ要素で、無接触溶接、部品の端面精度,及び部品位置決めをセットする治具などの精度も要求されるので、一次加工(金属プレス等)の精度が要求され、製品コストが上がってしまう要素を含みます。

6)拡散接合(熱圧着)

インコネル母材を密着させ、真空状態や、不活性ガスの中で、母材の接合以下の温度条件で、加圧・加熱を行い、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法で、固相接合の一種となります。

拡散接合.png


拡散接合(熱圧着)の特徴
1、薄板金属であれば、複数枚を同時に接合することが出来る。
2、スポット溶接等で母材を仮固定させることによって、連続的に加工が行えますので量産対応が可能。
3、母材を加圧させて拡散接合を行いますので、熱歪が抑制される。

ニッケルの溶接事例

<ニッケルタブの溶接>

抵抗溶接を用いる事で薄いニッケルタブでも歪み無く溶接する事が可能です。


銅バスバー(ニッケルメッキ)へのNIタブ端子接合



「こだま」がご提供できること


1.製品に合わせた、溶接方法の選択、各溶接の受託加工
2.豊富な薄板金属の在庫
3.製作内容に合わせた、適切な製作方法の選択
・形状カットにおけるコストパフォーマンス
・曲げ加工におけるコストパフォーマンス
4.金型レス・簡易金型製作、板バネ・薄板金属部品の1個~約2000個製作
5.熱処理及び、表面処理(対応不可な場合もあります)
6.全国対応



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担当:技術営業 村川

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